平成28年秋期試験問題 午前Ⅱ 問13

図のようなルータ6台から成るネットワークにおいて,宛先IPアドレス 10.100.100.1 のIPパケットをルータYから受け取ったルータZは,どのルータに転送するか。ここで,ルータZは次に示すルーティングテーブルを用い,最長一致法(longest-match algorithm)によってルーティングするものとする。
13.png

  • ルータA
  • ルータB
  • ルータC
  • ルータD
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分野 :テクノロジ系
中分類:ネットワーク
小分類:通信プロトコル
解説
最長一致(ロンゲストマッチ)は、ルータがルーティングテーブルからパケットの送出先を決定する際、ネットワークアドレスが一致したエントリのうち、サブネットマスクが最も長いものを選択するアルゴリズムです。一致するサブネットマスクが長いということは、宛先の範囲をより限定している経路であることを意味します。

まず、ルータZのルーティングテーブルから宛先IPアドレス 10.100.100.1 に一致するエントリを確認します(SM:サブネットマスク)。
宛先:10.0.0.0、SM:255.0.0.0
10.100.100.1 - 00001010 01100100 01100100 00000001
10.0.0.0 - 00001010 00000000 00000000 00000000
一致します
宛先:10.64.0.0、SM:255.224.0.0
10.100.100.1 - 00001010 01100100 01100100 00000001
10.64.0.0 - 00001010 01000000 00000000 00000000
⇒ 左から11ビット目が一致しません
宛先:10.96.0.0、SM:255.252.0.0
10.100.100.1 - 00001010 01100100 01100100 00000001
10.96.0.0 - 00001010 01100000 00000000 00000000
⇒ 左から14ビット目が一致しません
宛先:10.128.0.0、SM:255.128.0.0
10.100.100.1 - 00001010 01100100 01100100 00000001
10.128.0.0 - 00001010 10000000 00000000 00000000
⇒ 左から9ビット目が一致しません
宛先:0.0.0.0、SM:0.0.0.0
デフォルトルートなので全てのアドレスに一致します
宛先IPアドレスと一致するエントリは、1行目の 10.0.0.0/8 と 0.0.0.0/0(デフォルトルート)の2つです。ロンゲストマッチでは一致するサブネットマスクが最も長い経路が選択されるため、2つのうち 10.0.0.0/8 が採用されます。10.0.0.0/8 宛てのネクストホップは 192.168.1.254 なので、ルータZはルータAに向けてIPパケットを送出します。

したがって正解は「ア」になります。

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