平成23年秋期試験問題 午前Ⅱ 問14

IPv4ネットワークにおいて,IPヘッダー,TCPヘッダー,UDPヘッダーのチェックサムフィールドに関する記述のうち,適切なものはどれか。

  • IPヘッダーのチェックサムの計算は必須であるが,TCPヘッダー及びUDPヘッダーのチェックサムの計算はオプションであり,計算を省略して 0 を指定してもよい。
  • IPヘッダーのチェックサムは対象ヘッダー部分だけであるが,TCPヘッダー及びUDPヘッダーのチェックサムの対象はデータ部分も含む。
  • TCPヘッダーのチェックサムの計算は必須であるが,IPヘッダー及びUDPヘッダーのチェックサムの計算はオプションであり,計算を省略して 0 を指定してもよい。
  • どのヘッダーのチェックサムフィールドも,チェックサムの対象はヘッダー部分だけである。
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分野 :テクノロジ系
中分類:ネットワーク
小分類:通信プロトコル
解説
3つのチェックサムを比較したものが下の表です。
14.png
チェックサムでの整合性検査は、IPがIPヘッダー部を、データ部をTCP、またはUDPが担当します。IPとTCPでは計算が必須ですが、プロトコル処理の軽量性を重視するUDPだけは 0 を指定することで省略できるようになっています

IPがIPヘッダー部分だけを計算対象とするのは、ルータでIPパケットの分割処理(フラグメント化)が行われると、すべてのデータが揃わずチェックサムの再計算ができなくなるためです。なおIPv6ではルータの負荷を軽減する目的でIPヘッダーのチェックサムフィールドは削除されています。
  • TCPヘッダーのチェックサムは省略できません。
  • 正しい。
  • IPヘッダーのチェックサムは省略できません。
  • ヘッダー部のみを対象とするのはIPだけです。TCPとUDPは「擬似ヘッダー」「TCP(UDP)ヘッダー」「データ部」の全てをチェックサムの計算対象とします。
UDPではチェックサムを無効にすることができますが、ポート番号やIPアドレスのデータが損傷することにより他の通信に悪影響を与える可能性があるため利用が推奨されています。

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