令和7年春期試験問題 午前Ⅱ 問12

IPv6におけるICMPv6の近隣探索メッセージの使われ方に含まれるものはどれか。

  • IPv6アドレスが他のノードと重複していないかの検出に使われる。
  • 最終到達ノードまでのパスMTUを決定するのに使われる。
  • ステートフルアドレス構成で使用するDHCPv6サーバのアドレスを取得するのに使われる。
  • リンクローカルアドレスのプレフィックスを取得するのに使われる。
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分野 :テクノロジ系
中分類:ネットワーク
小分類:通信プロトコル
解説
ICMPv6の近隣探索メッセージは、IPv6ネットワークにおいて、同じネットワーク内の機器同士が互いの情報を確認するために使われる通信メッセージです。5つのメッセージタイプの集合であり、その組み合わせにより、ルータ検出、パラメータ検出、アドレス自動設定、アドレス解決、ネクストホップ決定、近隣の到達不可能な検出、重複アドレス検出、リダイレクトといった機能を提供します。
  • 正しい。IPv4では、IPアドレスの重複検出はARPを用いて実現されていました。しかし、IPv6ではARPは廃止され、その機能はICMPv6を通じて提供されます。重複アドレスの検出は以下の手順で行われます。
    1. 目的IPアドレスを設定した近隣要請メッセージ(Neighbor Solicitation)を送信する
    2. 使用されていれば、近隣広告メッセージ(Neighbor Advertisement)で応答がある
    3. 応答がなければ、使用可能と判断する
  • 近隣探索メッセージは、同じネットワーク内の機器に関して情報取得や通知を行う機能を提供します。このためネットワーク層をたどる処理には使うことはできません。パスMTUの決定は Packet Too Big Message を利用して行われます。
  • IPv6ネットワークでサイトローカルアドレスを決定する方式として、ステートレス構成とステートフル構成があります。
    ステートレス構成
    ホストはルータとの間で近隣探索メッセージをやり取りし、プレフィックス(上位64ビット)を取得する。インタフェースID(下位64ビット)を自身のMACアドレスから生成し、2つを組み合わせて128ビットのアドレスとする
    ステートフル構成
    ホストはDHCPサーバからアドレス情報(プレフィックスとインタフェースID)等を取得する
    DHCPv6サーバの検出は、ICMPv6ではなく、Solicit(要請)、Advertise(通知)、Request(要求)、Reply(応答)という4つのDHCPメッセージを交わして行われます。メッセージの名前は異なりますが、流れはIPv4と同等です。
  • 近隣探索メッセージを使用してルータから取得するのは、サイトローカルアドレスのプレフィックスです。リンクローカルアドレスのプレフィックスは fe80::/64 に固定されているため、他からプレフィックス情報を得る必要はありません。

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